まつもとクラフトナビ > コラム > まつもと工房探訪vol.2「田中一光製陶所」(松本)
2013年12月02日
この作品、どんな人が、どんなところでどうやって作っているんだろう…?
その素朴な、でも興味深い疑問を解決すべくスタートしてみたのが「まつもと工房探訪」!
第1回目の「solnte(ソルンテ)」さんからずいぶん間があいてしまいましたが…。
えー、気を取り直して、第2回は陶芸家・田中一光さんの工房、「田中一光製陶所」にお邪魔してきました!
工房は松本市街地から車で15分ほどの住宅街にあります
田中さんは松本市出身。2004年に独立し、2010年4月に「田中一光製陶所」を設立して制作活動を続けています。自宅敷地内に作った工房は、ロッヂのような雰囲気。
ろくろを回す田中さん
今月、浅間温泉の「手仕事扱い処GALLERYゆこもり」で行われていた個展では、水玉、ストライプ、クロスなどの柄物がたくさん並んでいました。「今年の春ごろから、色も形もある程度納得できるものが作れるようになりました」と話す田中さんは、作ることが楽しくてたまらないようなふうに見えました。
先月行われた個展のひとコマ
工房には、さまざまな方から依頼を受けて製作したもの、次の展示会のために製作したものに交じって、今はもう作っていないようなものや、ちょっと懐かしさを感じるものなど、数多くの陶器が所狭しと並んでいます。
製作中のものも、できあがったものも
釉薬の色具合のサンプルも
「工芸の五月」の企画室長としても活躍する田中さん。市内で田中さんの作品を見かけることも多く、クラフトナビでも、田中さんの器を扱うギャラリーはもちろん、カップやマグでドリンクを提供しているカフェもたくさんあります。
田中さんの器の魅力の一つは「使いたくなる」ところにあるのだと思います。自分の日常に、すんなりプラスできる。器を手に取るとそんなイメージが沸くところが、いろいろなお店でも使われている理由なのかもしれません。
「これまで作ってきたものはもっと磨き上げて更にいいものに。新しいものにも、積極的に取り組みたい」という意欲的な言葉に、期待が高まります。どんな作品がここから生まれてくるのか、これからもとても楽しみになった探訪でした。
田中一光(たなかかずみつ)
1977年松本市生まれ。東京学芸大学教育学部美術科卒業後、同大学陶芸研究室の研究生に。陶芸家松本慶一郎氏に師事。
2004年松本で独立。翌年から松本クラフト推進協会に参加。個展やグループ展の開催と並行して、クラフトにまつわるあれこれに携わる。2010年田中一光製陶所設立。
田中一光製陶所 http://tanakaikko.exblog.jp/
※2013年12月10日(火)、田中さんの器を使ってキャンドルを作るワークショップ「クリスマスキャンドルを作ろう」が行われます。場所は、田中さんの器も使っているカフェ「cafe matka(マトカ)」。色も形もさまざまな器から一つ選んで、キャンドルを作ります。講師は「handmade candle lifart…」の西牧隆行さんです。