まつもとクラフトナビ > コラム > まつもと工房探訪vol.3「Akane Bon Bon」(松本)
2016年08月19日
この作品、どんな人が、どんなところでどうやって作っているんだろう…?
その素朴な、でも興味深い疑問を解決すべくスタートしてみたのが「まつもと工房探訪」です。
【第1回】solnte(ソルンテ)
【第2回】田中一光製陶所
3回目となる今回は、紙の箱作家・Akane Bon Bonさんの自宅兼工房にお邪魔してきました!
個展に合わせて企画したオープンアトリエにお邪魔してきました
玄関を入ると作品の展示スペースがありました。「今は個展開催中なので、かなり出払った状態(笑)」とのこと。
カラフルな小さい箱は見ているだけでテンションが上がります
ノート類もあります
何を入れるか考えるのも楽しい、いろいろな箱
Akaneさんは松本出身。フランスで習得した紙箱作りの技術をベースに、日本の伝統技術や素材を用いて制作活動を続けています。
こちらに工房を構えたのは2013年10月。それまでは自宅の4畳半で作業をしていたそうです。
打ち合わせに使うという応接スペースも素敵な雰囲気
活版印刷機も!これは今後「栞日」に出張(?)予定とのこと
さまざまな紙
普段見る作品の大きさや、「紙」という素材からあまり広いスペースを必要としないのかな?と思っていましたが、なかなか狭いと作業がしづらいとのこと。言われてみれば、紙って広げると大きいですよね…。保管場所も必要なのだとか。
この日は、制作の様子も見せていただきました。
触ってみると、紙?と思うほどかなり丈夫な道具入れ
制作しているのは、キルトを作るときに使う、こまごまとしたものを入れるための道具入れ。「10年以上前のモデルで、今回はキルトの先生から注文が入ったので」とAkaneさん。
作品の設計図のようなものはあまりなく、実物を見て思い出しながら作ったり、物がなければ依頼者と話して確認して作ったりするそうです。
カッターで切っていきます
切っているのは板紙。厚紙みたいにしっかりしていて、カッターで切るのはかなり力が要りそう…。
「切るのって大変ですか?」との問いに「慣れですねー。でも、これだけやっていると自然と指先に力がついちゃっているかも」とAkaneさん。
塗っているのは木工用ボンド
強度を増すために、切ったものを貼って、重ねていきます。
貼ってから切ったほうがきれいに仕上がるそう
何気なく、するすると作業は進んでいきますが、これはやっぱりプロの成せる技…!
染めの型も見せていただきました。
シンプルなものもあれば、遊び心のあるものも
クラフト作品のなかでも、陶や木工、ガラスなどより「紙」というのは自分の日常のより近いもののように思います。でも、紙からどうやって作品が生まれるのかは、なかなかイメージできませんでした。今回、工房を訪れて、作業も見せてもらって、作品の工程を少しイメージできるようになった気がします。
後日、Gargasで開催中の個展「いえをたのしく」も見にいってきましたよー。
Gargasで開催中の「いえをたのしく」
大小さまざまな作品が並びます
「裁縫箱」「みだしなみBOX」などさまざまな箱に、Akaneさんがコメントを添えています。「こんな使い方があるんだー」と感じるとともに、作り手の思いを受けとめるような気持ちになりました。
かわいいパタパタ
個展は8月28日まで。お馴染みの「パタパタ」もありますので、ぜひ。
Akane Bon Bon(アカネボンボン)
紙の箱作家。フランスで習得した紙箱作りの技術をベースに、日本の伝統技術や素材を用いて制作。松本を拠点に活動する女性作家ユニット「PomPom(ポムポム)」のメンバーとしても活動中。
Akane Bon Bon http://akanebonbon.info/