まつもとクラフトナビ > コラム > まつもと工房探訪vol.4「ようさん工房」(松本)
2019年03月05日
この作品、どんな人が、どんなところでどうやって作っているんだろう…?
その素朴な、でも興味深い疑問を解決すべくスタートしてみたのが「まつもと工房探訪」です。
【第1回】solnte(ソルンテ)
【第2回】田中一光製陶所
【第3回】Akane Bon Bonさん
4回目となる今回は、中町にある「ようさん工房」をご紹介します。
中町商店街の事務所の建物の2階にあります
「ようさん工房」は、服飾デザイナー・百瀬陽子さんが服の仕立てや布小物の制作、ワークショップをやっています。
2017年12月にギャラリーカフェ「Gargas(ガルガ)」で行われた個展「youi!winter2017 冬のトリコロール」を見て、「次の冬にはコートを仕立ててもらおう…!」と決意。とはいえ、オーダーは初めてで、何を準備したらいいのやら…という感じで、百瀬さんに相談したのが9月ごろ。すると、
「9月中はなんとなく着たいイメージをふくらませて、10月初めあたりに打ち合わせでどうでしょう?」
というお返事が。そこで、いろいろふくらませておいて、10月半ばに工房に伺いました。
ミシンのほか、いろいろな布地もありました
オーダーというには、本当にイメージくらいしかなくて、「丈は長すぎず短すぎず」「寒いのが苦手なので、襟があったほうがいいかな…あっ、でも結局マフラー巻くからなくてもいいか…」「色は黒かグレー」「生地は柄があってもいいな…ヘリンボーンとかツイードとか…」と非常にざっくりした話を聞きながら、メモをとる百瀬さん。話しながら形のイメージをサササッと描いていきます。
曖昧な希望が少しずつかたちになっていきます…すごいな…。
「全然はっきり伝えられなくて申し訳ない…」と思いつつ、この日は採寸をして終了。
ちょうど11月に布を買い出しに行く予定があったとのことで、この日のリクエストをベースに布のセレクトをお任せしました。その後、12月に個展「youi!winter2018 classic」にお邪魔して、2回目の打ち合わせ。そして「仮縫いの準備ができました!」と連絡があり12月末に工房へ。
おお…何かもうこれで完成なのでは…!?
なんせオーダーが初めてなので、何だかもう一着作ってもらったような気分です。…でもこれは仮縫いなので、着てみてサイズを調整していきます。
セレクトしていただいた生地
生地にもご対面。ちょっと起毛していて暖かみがあります。とても好み!あんなざっくりの話から、こんなに好きな感じの型&生地をチョイスしていただけるとは…!
そして、お正月明け、再度仮縫いのものを試着。
再度調整した仮縫い
バックスタイルもかわいい
サイズもピッタリです!
…そして2月初め、ついに完成しました!
ついにMYコートが完成!
バックスタイル
着てみると、サイズもピッタリ!裏地はお任せしていたのですが、シルクでスルッと着心地も抜群です。
既製品と違うのは、やはりサイズ感。コートは「大きめでもいいか…」って思いがちですが、中に着るもののことも考慮した上で採寸して作っているので、着ぶくれせず、シルエットがシュッと決まります。
生地の感じ、伝わりますか?
さらに、選んでもらった生地がちょっと他では見ないような、オリジナル感があります。起毛していて触っても気持ちいい。
そんなわけで、10月にオーダーして約3ヶ月。素敵なコートができました。わーいわーい。ちなみに気になる価格帯は、3万5,000円~4万円ほど(生地によって異なります)。全て百瀬さんが一人で作るので、気になる方はまずはお問い合わせしてみてくださいね。今度はパンツとかスカートもお願いしたいなあ…。
ようさん工房
東京高円寺の仕立屋で修行の後、松本で独立。天然素材を使った服飾雑貨を制作している。松本を拠点に活動する女性作家ユニット「PomPom(ポムポム)」のメンバーとしても活動中。
ようさん工房 https://yosun43.exblog.jp/